長い記録(1)

 前回の日記(だいぶ前だけど)のあたりでは高尾山に行ったりなんかして浮かれて暮らしていたんだけど、その後くらいからだろうか、「なんだか右胸の下あたりがひきつるように痛いなー」と思っていたのです。このときは高尾山に行ったから、またおかしなところが筋肉痛になったんだな、くらいにしか思わず、仕事も忙しかったし(長いときは一日15時間くらい働いてた)、もしかしたら胃でも痛めたかな?っていう気持ちで茨城の内科を受診(2〜3日休めたから帰省してた)。そしたらなんと、全くノーマークだった婦人科系で異常が…!!すぐさま紹介状を書いてもらい、横浜の大学病院で精密検査、そして6月に入院、手術となりました*1
 もうこうなったら隠しててもしょうがないし、日記を読んだ女子に一人でも多く検査してもらいたいので書きますが、私にできたものは子宮内膜症性の卵巣嚢種…というのか、よくチョコレート嚢種とか嚢胞とかいうものでした。20〜30代の女性のうち、10人に1人は抱えるらしいというくらいメジャーなもので、まあ良性に違いはないのですが不妊にもなるし、大きくなると癌化することだってある、しかも未だに原因は不明で、根本的な解決には卵巣と子宮を全摘出するしかない、という…自分がなってみて調べてみると、え?そうなの??って驚くことばっかり。それに「しばしば破裂することもあり、激痛を伴う」とか書いてあるし。じゃあこんな大きかったら気を失うでしょうよ*2、と調べれば調べるほどネガティブに。発覚してから手術まではおよそ2ヶ月弱。毎日が破裂の危険と心細さで辛いしで驚くほど長く感じた。そういうとき、経験者の人たちの日記がいちばん参考になったし、私もがんばれるかも、って思ったので、万が一にもここにたどり着いた方のために私の体験を記しておきます。ツイッターでもいいけどあれって流れちゃうからあんまり体験談が出てこなくって参考になりずらいし。

・自覚症状など
なし。おなかのあたりはなんだか出てるなーとここ1〜2年思ってたけど、太ったのかな?とか食べすぎ?とか思ってた程度で痛みはない*3。発覚後〜手術までは精神的にあんまり食べる気持ちにならなくて5キロ近く減ったけど、そのくらいはっきり痩せてみると明らかに下腹部が大きいと分かるくらい。寝るときは仰向けが苦しくて、左を下にしてクッションかタオルケット状のものを支えにしてようやく寝られるかんじ。どうして左なのか?最初自分でも分からなかったけど、該当する部分が左の卵巣だったからだったっぽいと後に判明。右を下にすると引っ張られるというか、ちょっと嫌な感じだった。
・期間
会社の婦人科検診はここ2年くらいタイミング悪くちょうど重なってしまったので受けられず、発見が遅くなった。人によって大きくなるペースがばらばらみたいだけど、3〜4年前までは自分でもまめに婦人科に行っていたのでたぶん2〜3年で大きくなったのでは?と推理。
・経過
4月中旬…高尾山に行ったり鎌倉をお散歩したりして、春を満喫。忙しくて自分のことに構ってなかったけど、2〜3日休みがあったので茨城に帰省。家でも「胸の下が痛いんだよね〜筋肉痛かな〜」と呑気に話してたけど、暇だったのと、寝るときも痛いときがあったから母親に内科に連れて行かれる。でも車内でも胃薬でも処方されるかなーと話す程度には軽い気持ち。ところが先生と話していたら、「気になるからお腹見せて」と。ゼリー状のをお腹にぐりぐりと塗って超音波で見てみたら、そこには大きな丸い影。子宮のそばに、ふわんと大きな風船みたいなものがある。黒っぽいけど少し光が通るのか、透けて見える部分も。横浜に戻ったらすぐに総合病院か大学病院に行くようにと紹介状をもらう。

4月末…職場の人に聞いて、評判の良さそうな大学病院を受診。手術って開腹と腹腔鏡と2種類あって、もちろん腹腔鏡の方が身体の負担は少ないし傷も少ない、費用も入院期間も短い。でも半面で腹腔鏡は技術も必要だったりするし*4、大きさにもよるのでどうなるか不安…開腹になっちゃうかな、でも腹腔鏡に積極的な病院がいいな、と思って病院を決めた。ここでは初回に内診を受けたけど、やっぱり大きな影(初回に内科に行ったときも同じだったけど、約12×10センチ!)があって結構大きいので手術が考えられると言われる。ただしどういう性質のものか分からないので、内容はMRIと腫瘍マーカーとか、検査を受けてから話すということに。かなり混んでたこともあって、5月に何回か通院することに決定。ちなみに大学病院は基本的には紹介状がないと受診できないので注意。紹介状がない場合は別に料金を支払う必要があったりします。あとMRIは大体1万円ちょっとくらいかかるのでお財布にお金を入れとくことを忘れずに。

5月…子宮の細胞を採取してがん検査、MRI、血液検査(悪性腫瘍があった場合は異常値が出る)。MRIは昼からだったけど、開始3時間前くらいから水分も摂取できないので注意。造影剤を点滴して、はっきりと写るようにしたり。気分は悪くならなかったけど、点滴を入れるときはひゅっと血管に冷たい液体が入っていくのが分かったので、まぁ楽しくはない(当たり前だけど)。

5月末…結果が出る。腫瘍マーカーの結果も悪性の数値は出てないことが分かり、一安心。悪性だったら…と考えながらじりじりと毎日を過ごすのは本当に嫌だった。手術も早いほうが良いけど、この病院では12月まで順番待ちになるので同じ系列の大学病院を紹介される。この辺りにはすでに寝るのもしんどい状態だったので、12月までは待てない…。がっくりして紹介された病院へ。

5月末…新しい病院へ。すごく親身な先生。実はスタッフが少なくて厳しいらしかったのに、早くやってあげようよ、と他の先生に連絡してくれて手術が決定。方法は腹腔鏡でいけそう、と聞いてうれしい…。普通は立て続けに同じ手術はしないそうなのだけど、午後2件目に入れてもらえた。その日のうちに家族のサインが必要なものとか、手術の概要のプリントを受け取る。そのまま血液検査、尿検査、心電図、呼吸器の検査、レントゲンを受ける。あとは重いものを持つこと、お腹に何かぶつからないように、と注意が。もし痛みを感じたらすぐ救急車を呼ぶように、って。怖いけど、ゴールがやっと分かったので少し気が楽に。

6月中旬…入院2日前、ぎりぎりで術前の結果が出る。実はこれまで知らなかっただけで心電図にやや異常があり、「普通に生活できてます?」と聞かれる。どうもあんまり心臓からのサインみたいなものがキャッチできなかったらしいんだけど…心臓よどうなってるの。でも支障ないでしょうということで明後日入院ということに。

6月下旬…入院、手術、退院 ※このあたりは改めて書きます。

7月上旬…病理検査の結果を聞きに通院。一応のゴール!

*1:この手術の日程を決めるのが一悶着で、人気のある大学病院だと平気で半年待ちとか。私はその前に急変の恐れありということで、同系列の大学病院をさらに紹介してもらいました。

*2:私のはあっという間に大きくなったみたいで、ネットで調べても自分以上に大きくなってしまった人はあまり見つけられなかった…。

*3:卵巣は痛みを感じない臓器なので、どの病気でも痛みは感じないそうです。

*4:認定医になっているかどうか、ということが一応の目安と言われているので、ネットで調べるとよいです。