読了

 熱烈文楽 ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元推理文庫) もうおうちへかえりましょう (小学館文庫) 古典芸能を楽しむ本 落語・歌舞伎から能・狂言まで (PHP文庫) キャンディ (角川文庫) ファウスト〈第二部〉 (岩波文庫) ねむれ巴里 (中公文庫) 17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義 菊池寛急逝の夜 歌舞伎・文楽の見方が面白いほどわかる本


 だいぶ涼しくなったせいか、めきめき読書欲が高まっています。新しい世界に会えるのが楽しくて、毎日自分でもびっくりするペースで読んでしまう。以下は特に面白かった本。

感情教育 (講談社文庫)

感情教育 (講談社文庫)

 フローベールにも同名の小説があって、そっちもすごく読んでみたい1冊なんだけども、中山さんも好きなので楽しい。いつも苦しいような、どうしようもない気持ちになるけどこれはこの人にしか書けないんじゃないかなぁ、と思う。
冷血 (新潮文庫)

冷血 (新潮文庫)

 ギルモアさんの『心臓を貫かれて』(村上春樹訳)がすごく面白かったので、あのカポーティさんがねちねちと調べ上げて書いたこの本はどうかなーと思って読んだ本。アメリカ中西部の田舎町に暮らしていた幸福な一家が、見知らぬ2人組の男に惨殺されてしまう、そのはじまりから犯人が絞首台に消えるまでを描いてあるノンフィクションノベル。乾いた空気とざらっとした手触り。
二度寝で番茶

二度寝で番茶

 ドラマ「すいか」が大好きだったので速攻でレジに行った。ドラマの脚本などを書かれているお二人(共同執筆だったとは・・・!知りませんでした)のエッセイ。爆笑したりしんみりしたり忙しいけど、ぜひお二人のドラマが好きな方は読んで〜!!って思います。すごく、良い本。高山なおみさんのお料理も、すごく合ってる!
青い城 (角川文庫)

青い城 (角川文庫)

 『赤毛のアン』のモンゴメリの本。貧しい家庭で暮らす独身女子・ヴァランシーさんが、自分の余命一年と知り、悔いのない人生送ってやる!!と奮起したお話。それまでは家族のいやみにも黙って耐えていた彼女が、ユーモアをまじえて言い返したりしてて、読んでてすかっとする。冒険あり、自然あり(カナダの自然の描写、すばらしいー)、ロマンスあり・・・で団大円になだれ込みます。女子の夢。名作。訳も読みやすい。だけど、29歳のヴァランシーが完全に実家(というのか・・・?)で行かず後家扱いされて邪険にされてるのを知って、おそろしい思いです。
黒い季節 (角川文庫)

黒い季節 (角川文庫)

 『天地明察』がおもしろかったので、他に読めそうなのないかな〜と思っていたら、ちょうどよく文庫が出てた。記憶を失った少年を拾ったことから、戦いに巻き込まれる藤堂さん(かっこいい)と、謎の女性たち。たまに物語世界を理解するのが難しいところがあったけど、勢いで読める。
新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

 時代ものをちょっと読んでみようと思って、何にも調べず、有名だからな・・・と手に取った本。明治維新後の日本を生きた3人(秋山好古秋山真之正岡子規)についてのお話。すごく読みやすいし、解説が丁寧なのでいいんですが、全8巻の1冊目なのでまだこの後どうなるかわからず。続きも読んでみようと思います。
精霊の守り人 (新潮文庫)

精霊の守り人 (新潮文庫)

 よくお名前を聞くけど、文化人類学者の先生が書いてる本だったんだねぇ。知らなかったよ。『十二国紀シリーズ』に似てるけど、世界のはじまりの捉え方とか、伝承についてとか、舞台の背景もいちいち納得できるところが多くてちょうおもしろい!!お話自体は女用心棒(バルサ)がお妃さまから皇子(チャグム)を託され、追っ手から逃げつつ国の秘密を知っていくものなんだけど、登場人物がみんなかっこよく、すてきです。昨日の会社帰りに地下鉄で読んでたんだけど、ラストシーンにかかったところで駅に着いてしまい、そのままやめられずにホームのベンチに移動して読了。1冊読みきりなんですが、涙あり、名言ありでいつのまにか感情移入。
真綿荘の住人たち

真綿荘の住人たち

 『スープ・オペラ』、『哀しい予感』なんかの同居もの(そんなジャンルはない・・・)が大好きなわたし。この本は同居じゃなくて、同じ「真綿荘」に住む下宿人たちのお話なんだけど、ちょっと近い感じがしておもしろいです。全員が色々な気持ちを抱えて生きてるのが、ちょっとずつ共感できたりする。私はクジラさんがいちばん好きだなー。