読了

絶叫城殺人事件 (新潮文庫)

絶叫城殺人事件 (新潮文庫)

 最近有栖川さんの本読んでないなーと思ったので、ブクオフでぽちり。火村&アリスコンビは高校の時に大好きだったので、懐かしく思いつつ読みました。短編集だけど構成がしっかりしてるので安心して読める。とはいえ長編よりキャラクターが前面に出ないので火村さん好きな私には少し物足りない。なー。
思い出を切りぬくとき (河出文庫)

思い出を切りぬくとき (河出文庫)

 萩尾望都せんせいといえば『ポーの一族』で有名だけど、せんせいの漫画は全然読んだことないし、なのにエッセイ?と楽しめるか不安だったけど、お風呂の友にして一気に読み終わってしまった。読みつつも、せんせいはおっとりした方なんだなーとかふむふむ、とっても聡明だわ、とか思う。全体を通してあんまりミーハーな感じはなくて、論理的というか、哲学ぽいかんじもあり。あとがきはよしもとばななさんで、そこでも書かれているけれど一部、姉妹関係の話のところだけ感情が揺れ動いてるのが透けて見えて、それも人間らしくていいなーと思う。そういう揺らぎ、というか弱いところって人から見るときらきら見えることもあるんだな。
ケッヘル 上 (文春文庫)

ケッヘル 上 (文春文庫)

ケッヘル 下 (文春文庫)

ケッヘル 下 (文春文庫)

 『ケッヘル』は桜庭一樹さんの読書日記(業務連絡。新刊は19日まちがえました。26日みたい。発売です)に書かれてあるのを読んでから気になってたけど、上下巻あるし、うーん・・・と思っていた本。でも、モーツァルトとか詳しくないしー・・・っていう遠慮?は全然いらないすんごく読み応えがある本でした。主人公がとある出会い(これがカレーの海辺で、描写がとってもいい!)からケッヘル番号を会員番号とする風変わりな旅行社で働くことになって、自分の人生と交錯する大きな事件に巻き込まれることになるんだけれど、場面の転換の仕方の上手さとか世界観の美しさが際立ってるかんじ。たまたま鎌倉が舞台になってる場面で、私も鎌倉(の、薄暗い地下の喫茶店のカウンター)にいたのでテンション上がったし上下巻一気読みで楽しめました。
センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場

センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場

 あんまり知らない先生もいるので充分には楽しめなかったけど、人の本棚とか仕事部屋(会社員にはムリですね・・・)を見るのは楽しい。米原万里さんの本は今年ちょっと読んでいたのでねちねち見ました・・・。
尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫)

尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫)

 『第七官界彷徨』とかいくつか読んだのもあったけど、尾崎翠さんのは何回読んでも読んでないような不思議な気持ちになる。あと同じ気持ちになるのは倉橋由美子さんなんだけど・・・。この本は先日湯河原ひとり旅したときに旅館の畳でごろごろしながら読んだ、すてきな思い出があります。
恋 開運 神社へ行こう!

恋 開運 神社へ行こう!

 私も開運!来年はがんばりたい!と今年もまだ終わってないうちから鼻息荒く購入した本。ツヤ子さんのイラストはかわいいなぁ・・・。神話のあらすじとか、神社のマナーがわかってお役立ち本です。
落語こてんパン

落語こてんパン

 結構前からねちっこく落語本を読んでるけど、取り上げる噺を選ぶ基準が有名かどうかじゃなくて、自分が好きかどうか!っていうのがいいと思う。たまに脱線しつつ、話し言葉で書かれてるのがかえって読みやすくて楽しい。
安南 愛の王国

安南 愛の王国

 何となく作者の名前と『安南』っていうタイトルが内容の難しさを心配させるけれど、全部で140ページくらいしかないし、文章が簡潔でわかりやすいので大変に読みやすいです。この本を当時20歳の人が書いたなんてすごい!と思う。内容は18世紀末、フランスからベトナムに派遣された宣教師たちが長い長い旅を経て大きな犠牲を払いつつ目的地に到着、その後の現地での生活や祖国に忘れられてゆく儚さ・・・が描かれています。後半の展開は書いちゃうとあんまり楽しめなくなるので書きませんが、最後の最後、何行かだけの文章に打たれて読後少しぼんやりするくらいなのでみなさまもぜひ。