読了

すべてを食べつくした男 (文春文庫)

すべてを食べつくした男 (文春文庫)

 ニューヨークに住む美食家兼作家のエッセイ。水、ケチャップ、電子レンジ、懐石料理・・・色々なテーマで語りつくす、貪欲さがすごいです。 あー画像がでない!!澁澤せんせいについては全然詳しくないので偉そうなこと言えないけど、たまに読みたくなって買うことがある。「おそらく城とは、何よりもまず、専制君主の夢想のための場所なのだ」という澁澤せんせい。最近は古さがない、妙にこぎれいな観光地のお城もあるけど、私は古いのが好き。それで、退廃的で孤立してて、悲しいの。
倉橋由美子の怪奇掌篇 (新潮文庫)

倉橋由美子の怪奇掌篇 (新潮文庫)

 倉橋せんせいの本は、長編だと正直作品の雰囲気に押されてしまってうまく読めないんだけど、短編は読みやすくていいな。でもかといって軽い読み口でもなく、あっという間に異空間に入って行っちゃう力があるのがすごい。 リーダーズ・ダイジェストの傑作、サマセット・モームの『世界十大小説』にならって、自分でも作っちゃえ!と実際に“俺ベスト”を作った1冊。結構日本人作家の作品が多いのが特徴で、11作品(おまけで1作品)のうち、6作品は日本のもの。うーん、これ読んでみようかなーと思うものはあったけど、結構あらすじを紹介しちゃってるので嫌な人は嫌かも・・・。あと、構造の話というか、時代背景を解説する場面も多いので、ちょっと教科書的な感じで読みにくいやもしれません。
血族―純文学長篇

血族―純文学長篇

血族 (文春文庫 や 3-4) これ、私は単行本で持ってるんだけど、すごく分厚くて重い(ついでに函つき)!“私”の一人称で書かれているけど、小説というよりはノンフィクション。著者が自らの一族について語り、後半では謎を明らかにする・・・話なんだけど、この一族っていうのがすごく変わっていて、凄みのある美貌を持つ女たちや、放蕩の気質、不思議な同居人、明かされない過去・・・なんかのエッセンスが満載ですごくどきどきする!最後の謎解き部分も、「犯人は、お前だ!」みたいな明快さはないけれど、ゆっくりと紐がほどけるみたいで、それでも最後に解ききれない謎もあるみたいで、厚さにもかかわらず、あっという間に読んでしまった。