読了

スープ・オペラ (新潮文庫)

スープ・オペラ (新潮文庫)

 阿川佐和子さんの本は、お父さまの本とどちらも未読だったので、初。どんな話なのかなーとどきどきしながら読んだんですが(初めての作家の本って自分の反応が分からないから緊張しますよね。ね。)、何というか、とても上品な小説って感じがしました。叔母・トバちゃんと長年一緒に住んできたルイ(女性・35歳)が主人公で、トバちゃんが恋に走って以後ふらりとやってきた男性2人(トニーさん・初老&康介・年下)と同居生活を始める・・・という話。3人の共通点はスープが好きという点のみ。それぞれの人生(あんまり詳しく語られない)もぼんやりと読者に想像させるのみだし、重量感がある小説というよりはさらっとした木綿みたいな・・・風通しがいい雰囲気。たまーに聞く、清潔な文体ってこういうこと?と思った。ところで、この三人はそれぞれの人生の節目で落ち込みながらも楽しい会話をし、微妙な距離感で関わりあっていくんですが、家事が交代制だったりとか、その時の決まりが「必ず汁物をつけること」だったりとか、そういうのがあると登場人物が可愛らしく思えるからいいな、と思う。生活の細部への視線というか・・・。
東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)

 日本もこういう時代があったんだ・・・と愕然とする。しかもそんなに大昔じゃないんですよね。残飯を売る商売があったとか、すごい数(何十人とか)のもらい子殺しがあったりとか。長屋の写真も載ってるんですが、大変なことになってる・・・。あと遊郭のところはすごく興味がある部分なので、もうちょっと本を探してみようかなー。
犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

 松嶋菜々子さん主演の映画でも観てるし、その前のテレビシリーズでも大好きな作品だったので、正直話はよく分かってるんですが、やっぱり文章で読むのが一番好きかも。
黒いスイス (新潮新書)

黒いスイス (新潮新書)

 すごく興味があるテーマではないんですが、分かりやすく書いてあるのでさくっと読めました。私のようなスイスといえばアルプス=ハイジ・おじいさん・ペーター・白パン・暖炉で焼いたチーズ・干草のベッド・「クララが立ったー!」みたいなアニメ脳の方はたぶん戸惑って混乱したまま終わるような気がする。
「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

 元「ニューズウィーク日本版」勤務の著者が、日本での生活で困ったこと、感動したことなんかを軽い文章で書いています。ユーモアも交えつつ書かれていますが、たぶんご本人の観察眼の鋭さと、もちろん日本語能力の高さ!も大変なレベルだと思う。良い本でした。
ベストセラーだって面白い

ベストセラーだって面白い

 うーん・・・本のセレクトにあんまり興味なかった・・・。というか、自分がベストセラーに興味がないってことだな。