読了

文芸レアグルーヴ―いまぼくたちが読みたい日本文学の100冊 (マーブルブックス)

文芸レアグルーヴ―いまぼくたちが読みたい日本文学の100冊 (マーブルブックス)

十三妹(シイサンメイ) (中公文庫)

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よりぬき読書相談室―特盛すこぶる本編

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よりぬき読書相談室 どすこい幕の内編

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 『文芸レアグルーヴ』。私もその中の一人なんだけど、学生時代、国語の時間に便覧ばっかり読みふけっていた人にはぴったりの本*1。クラシックな感じのものも多いですが、最近のも結構入ってるので、「何か読みたいな〜(でも何がいいかな〜)」と思っている方におすすめします。でも何より貴重だと思うのは、太宰治『女生徒』と梶井基次郎檸檬』が映画のように紹介されてるんですが、主演がそれぞれ、岡本綾黒澤優だってことです・・・!まだ高校生のときの姿なので、素晴らしいなーと思いました。透明感がすごいよ!かわいすぎる。
 『十三妹』は武田泰淳の中国任侠小説(でいいのかな・・・)。十三妹という忍者みたいな美女が妻になってその後・・・みたいな話。最初はお、面白いーと思って読み進めたんだけど、だんだん章ごとにむらができてるような気がして、最後まで読むのはちょっと辛かった。好きな人は好きなんだろうけど、いっぺんにはなぁ。新聞に連載していたもののようなので内容的にぶつっと切られてるのはそのせいなのかもしれない。あと主人公は美しく、頭も良く、強い完璧な女性なのだけれど、夫はそうでもない、ちょっと頼りなさが目立つ存在なのでたまに地団駄を踏んじゃうんだなぁ。うーん・・・。でもあとがきで泰淳氏も語っておられるように、「めでたしめでたし」では終わらない、男性が自分以上に力のある女性を妻にしたときの恐れとか、劣等感みたいなものは迫るものがあったように思います。
 『よりぬき読書相談室』はもうちょっと読書の幅を広げたくて読んだ本。近所では入手困難なものもあったので、さっそくアマゾンでぽちっとする。

*1:アマゾンのレビューにも同じようなことが書かれてます。