読了

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

 他の人の日記を読んでいて、そういえば私、この本読んだことないなーと思って読んでみた。高校のときに『龍は眠る』とか『ステップファザー・ステップ』とかは読んで面白かった記憶があるけど…。この本では、休職中の刑事(本間)が遠縁の男性に頼まれて、彼の失踪した婚約者を探すうちにとんでもない暗闇を見ることになってしまうんだけど、その暗闇っていうのが本当に恐ろしく、読んでいて絶望するほど。全体的に黒に近いグレー、ってかんじで、誰か一人が悪いんでもない、でもだからこそすごくやりきれない気持ちになる。でもそう感じるのは、宮部さんの文章がすごく上手いからなんだろうなーとも思う。最後の方でページをめくりながら「どうかお願い。頼むから死んでいてちょうだい、お父さん」っていうところなんか、読んでてぞっとする。
村上春樹 雑文集

村上春樹 雑文集

 村上さんのエッセイはなんだか好きなので、さっそく購入。未発表のものも結構あったりしてかなり読み応えはあるんだけど、音楽の章はもともとよくわからないジャンルなので、ちょっと飛ばし読み…。あ、でもエルサレム賞のあいさつ(『壁と卵』)は何度読んでもいい文章で、感動しますね。