読了

わたしのすきなもの (祥伝社黄金文庫)

わたしのすきなもの (祥伝社黄金文庫)

週末ジャパンツアー (杉浦さやかの旅手帖) 杉浦さやかさんの本大好き(特に『週末ジャパンツアー!』ハトヤとかこけし見に鳴子とか・・・)。この本もほんわか加減がぐっときます。落語とか京都の朝ごはん、お土産、文字を見るだけで楽しい気持ち。
未完のモザイク (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

未完のモザイク (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

 詩人ダンテがフィレンツェの執政官に任命された夜、モザイク職人が壁画に埋め込まれて死体で発見される。不穏な空気のなか、謎を突き止めようとするダンテ・・・の話。ちょっと登場人物紹介を見ただけでも、「全員あやしい!」と思うほどきな臭い面々。登場人物がけっこう多く、名前も外国人だらけ(当たり前だ)で覚えにくいので苦戦しました。日本語訳が悪いわけではないんだけど、テンポよく進むわけではないので読みにくいかも。 哲学。考えるとは?の問いをたとえ話満載で丁寧に解説した本。数学の超入門書がかえってわかりにくくなっちゃうように、こっちもまどろっこしい所がけっこうった。でも最後の「考えるためのヒント」はよかったな。ヒントを適当に要約するとこんなかんじ。

(1)問題そのものを問う
 何が問題なのかを考える。問題の意味が明らかになって、それからおもむろに考えるのではなく、「問いを問い直す」こと。「答えを試みる」ことによってらせんを描くように動いていく。何が問われているのか、そしてなぜそれが問題になるのか(問題の背景)。問題の意味がはっきりしたとき、答えも見える。
(2)論理を有効に使う
 手持ちの情報を最大限に活用するには、その情報の意味するところを引き出さなくてはいけない。でも論理的に展開しているつもりで、だまされることもあるので直感も大事にする。
(3)ことばを鍛える
 考えるために持っている唯一の翼。状況をさまざまなパーツに切り分けたり関係づけたり、わたしたちはことばで作業する。だから、いろんなことばをもっているひとはいろんな可能性を試せる。新しいことばを手に入れたなら、それで新しい可能性が開ける。
(4)頭の外へ
 思いついたことをなんでも書き出してみる。自分のもっているものを吐き出す。吐き出したら、「読む」のではなく「見る」ことができるようにする。そうして、手を使いながら、目を使いながら周囲のものたちを活性化していく。
(5)話し合う

入らずの森

入らずの森

 事故で陸上選手生命を絶たれた中学教師と、家庭崩壊している中学生、Iターン就農を目指す男・・・が森と交錯したとき、日常が狂う(オビよりちょっと引用)。地方で、閉鎖的な環境と憎悪と嫉妬のねっちりした描き方、森の中の湿った描写、ほんとうにじわーっと気持ち悪さが感じられます。すごく褒めているんだけど、ほんと薄気味悪いー。あとタキエおばあちゃんが最後かっこよかったです。
燃えるスカートの少女 (角川文庫)

燃えるスカートの少女 (角川文庫)

 すごくきれいなかんじなんだけど、身体的というか、そういうところはちょっと苦手かも・・・。小川洋子さんの本も似たような感じを受けるんだけど、例えていうと「素肌に金属が当たったかんじ」みたいな・・・。ひやっとしてて、異物感を感じるんだなぁ。
裏のハローワーク

裏のハローワーク

 まぐろ漁船に乗るとか、社会的には全然「裏」じゃない(乗った人には会ったことないけど)職業もある一方で、「偽造クリエーター」とか「臓器ブローカー」「大麻栽培」なんかの「ものすごい?裏」職業もあってはらはらします。ここに書いてあることを聞き取るにも相当命がけだったようなので(脅迫とかされたらしい・・・)、個人的にはそっちの模様の方が気になってしかたないです。