読了

台所太平記 (中公文庫)

台所太平記 (中公文庫)

 谷崎潤一郎=艶っぽいお話っていうイメージがあるけど、これは女中さんの生き生きしたお話。谷崎せんせいは、あえて「女中」っていう言葉を使っているけれど、この本の中ではそれがぴったりしている感じですね。お料理上手だったり器量よしだったり、お洒落だったりちょっとずるかったり・・・女中さんが入れ替わり立ち代り、お屋敷に出入りするので、読んでいると女中さんと一緒にくるくると働いている気になっちゃう。清々しくて、よい小説でした。
古書店アゼリアの死体 (光文社文庫)

古書店アゼリアの死体 (光文社文庫)

 たまたま古本屋さんで手にとって当たり!をひいた。裏のあらすじには

 勤め先は倒産、泊まったホテルは火事、怪しげな新興宗教には追いかけられ・・・。不幸のどん底にいた相澤真琴は、葉崎市の海岸で溺死体に出合ってしまう。運良く古書店アゼリアの店番にありついた真琴だが、そこにも新たな死体が!事件の陰には、葉崎市の名門・前田家にまつわる秘密があった・・・。笑いと驚きいっぱいのコージー・ミステリーの大傑作!

 とあって、「んー・・・よくある?不幸な女性が不条理な出来事に次々見舞われる笑い要素の強いミステリなのかねぇ」とあなどって読み始めたら、開始40ページ目でゴシックロマンの要素が・・・!なんと、お話自体のネタバレにはならないので言っちゃうけど、この本のタイトルになっている『アゼリア』がゴシック小説専門の古書店なのでした!そのあとに続く、なだれ込むようなゴシックロマン・カルトクイズ!あぁ。うっとり。でもミステリとしてもきちんと成立していて、後半にはばたばたの冒険あり、恋愛あり、謎ありで楽しめました。最後の最後にあるオチも、ゴシックならではのブラックさでそれも良かったな。

のほほん風呂  おうちでカンタン季節の湯

のほほん風呂 おうちでカンタン季節の湯

 たかぎなおこさんの絵って、ほんわか具合とか、人物描写がさくらももこさんに近いと思うんですが、いかがでしょうか・・・。でも大好きです。きっとかわいらしい人なんだろうなーっていう、向こう側が透けて見える気がする。で、この本はお風呂本で、たかぎさんが自分の家のお風呂で色々な実験をしています。ミカンを入れたり、花を入れたり・・・。自分の家でやるのはちょっと手間な気もするけど、季節感があっていいですよね。ついでですが、たかぎさんはつい最近マラソンの本も出されたみたいですね。おうち大好き、アウトドア苦手なので間違っても走ったりはしないだろうけど、いちおう買っとこうかしら・・・。
淀川でバタフライ (講談社文庫)

淀川でバタフライ (講談社文庫)

 たかのてるこさんのご家族の本。お母さんがいきなり腹話術師になっちゃった、おもしろ家族。