読了

 自身でオンライン古書店を運営している北尾トロさんのノウハウ本。これまで古本収集家、裁判傍聴の人、という面でしか知らなかったので新鮮でした。これから同じことやろうかなーと思っている人にとってはすごくいい本のような気がする。私はだめだ・・・。
帰って来た猫ストーカー

帰って来た猫ストーカー

 これ、2冊目も出てますね。どうしようかな・・・ちょっと立ち読んでみないと。この本、最初は猫ストーカーに適した装いからはじまり、猫ストーカーファイル、海外遠征編など、全編を通じたストーカーっぷり。ゆるっとしたイラストもかわいいです。
不思議図書館 (角川文庫)

不思議図書館 (角川文庫)

 すてきな装丁の角川。この表紙の本棚、ちょっと私の理想かもしれません。で、寺山修司さんの本は高校生のときもちょっと読んだことあったんですが(たしか『書を捨てよ 町へ出よう』だったと思う)、いまいちぴんと来なくて、何でだろうなーと思っていたんです。でも今回心機一転トライしてみたら・・・!すごい!!と思いました。アングラな感じ、美しくて残酷で、読んでいてあぁこの人は天才なんだな、とつくづく思う。吸血鬼、フェティシズム、だまし絵、髭のある女・・・くるくる万華鏡みたいな書物漫遊記。

 だが少女小説がなくなっても、少女がいなくなった訳ではない。現代の読者は同じ少女をさがしてルイス・キャロルのアリスの世界へ踏みこんでいったり、ジュニア小説や、少女コミクスの分野へのめりこんでいったりする。(もっとも、タブーとしてのセックスを大胆にとり入れたジュニア小説の中には、もう少女はいない。そこにいるのは、女の子であり、ギャルであり、女子学生である)
 どちらかといえば、「少女」たちの感傷の系譜は、萩尾望都のコミクス(たとえば「ポーの一族」「トーマの心臓」や大島弓子の「綿の国星」などの中に、少年や猫に姿を変えて生きのこっているように思われる。
 だが、私にしてみれば、それではいささか不満である。
 懐かしの少女雑誌の中の「黒髪の乙女」はどこかにひっそりとかくれていて、私が迎えにゆくのを待っているのだ、と思いたいのだ(pp,288-289)。

ナチスの発明

ナチスの発明

 ナチスといえばユダヤ・・・人の残酷な歴史を思い浮かべるけど、こっちはナチスが世紀の発明をしたり、すごい科学技術を発見したりした、違う側面に光を当てようと試みたもの。ロケットを発明し、初めて聖火リレーを行い、テレビ電話を作り出した一方で、戦火の中でも労働者の福利厚生を重視し、格安で海外へツアーに出かけたなんて。知らなかった・・・!でも帯にもあるように、全体主義軍国主義を煽る内容ではありません。念のため。
どちらでもいい

どちらでもいい

 『悪童日記』の著者による短編集。ストーリー性のあるものとないもの、怖いものとぼんやりした曖昧なものが混在しているので、うーん・・・読みにくい・・・。著者が「あれ(悪童日記)より良いものは書けない。最新作もあの作品には劣る」と言っているように、あの衝撃は感じないかも。
禁じられたベストセラー―革命前のフランス人は何を読んでいたか

禁じられたベストセラー―革命前のフランス人は何を読んでいたか

 フランス革命前、フランス市民が何を読んでいたのか?思想書、ポルノなんかを政府に許された書物に混ぜ、裏で取引した記録が載っています。歴史書なので、すごく読みにくいんですが、面白いテーマだなーと思いました。これは桜庭一樹読書日記掲載本。