読了

経験を盗め―文化を楽しむ編 (中公文庫)

経験を盗め―文化を楽しむ編 (中公文庫)

 面白く読んだのは、「誰が為に日記はある」っていう章。先日読んだばっかりの半藤一利さんが出てた(もうひとりは鎌倉日記文学を研究しているクリスティーナ・ラフィンさん)。特にへーと思ったのは、日本の日記文学は7世紀くらいから始まってるんだけど、ヨーロッパでは18〜19世紀だっていうところ。これは、西洋世界が蝋のボードに書いては消し、書いては消ししていたことに対して、日本が「書く」という手段を早くから持っていて、紙を融通できる人たちが貴族として存在していたことによるそうだ。常々、テレビとか写真を見ていて海外の建築物が多く残っているのをうらやましく思ったりしていたけど、日本は木造で建築の保存がしにくいぶん他の方法できちんと歴史が伝えられてるんだなーとしみじみ思った。