読んだ

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

 登場人物たちが決してでしゃばっていないのに個性があり、お話自体も一見地味な感じがしつつ、読後は温かさが残ります。不思議な話だなー。淡々と進むのに、たまにちょっと面白いところもあるし。何も知らずに読んだので最初は短編集かと思いましたが、読んでいくうちに通称「つむじ風食堂」で出会う、(おそらく)小さな町の人々のお話だと気づきました。でもこれも違うのかな。何せ町の描写などの周辺のことがほとんど書かれていないので・・・・。それでも読むのに全く不都合はなく、むしろ頭の中で自由に映像が広がっていく感じがするのでこちらのほうが良いと思います。特に冬に向かうこれからの季節は読むのに最適なんじゃないでしょうか。ちょっと冷たい空気に合うような気がします。